海の京都物語 第384話 夜久野の漆、奈良の昔から続く職人の技どす|日本酒YUTAKA(豊)
海の京都物語、第384話は福知山市夜久野町のお話どす。丹波の山あいに抱かれたこのまちは、奈良の昔から国産漆の産地として知られ、「丹波漆」の名で今も京都の伝統工芸を支えとるんどすえ。
今日は、そんな丹波漆の歴史と、その魅力を伝える「やくの木と漆の館」、そして漆を守り継ぐ職人さんたちの今をご案内しますさかい、どうぞ最後までお付き合いやしておくれやす。
🌲 奈良の昔から続く丹波漆の歴史
福知山市夜久野町の漆は、奈良時代初期までさかのぼる歴史を持つとされとります。明治40年刊行の専門書『実用漆工術』では、全国30の産地のうち筆頭に丹波が挙げられとったそうどす。
明治期には約500人もの漆掻き職人がこの地におり、山陰・中国地方からも漆が集まる一大産地やったんどす。せやけど戦後、化学塗料の普及や安い輸入漆に押され、全国の産地は次々と姿を消していきました。
それでも夜久野では、ウルシの木が今も山の斜面に植わり、秋になれば葉が赤く色づく景色が広がります。職人さんが木肌に刃を入れ、滲み出る樹液を一滴一滴集めてはる姿、想像するだけで胸が熱うなりますなあ。
🏺 丹波漆の発信拠点「やくの木と漆の館」
夜久野町平野にある「やくの木と漆の館」は、丹波漆の文化を伝える拠点どす。漆掻きの道具や漆器の展示に加え、要予約の漆塗り体験(830円+材料費、中学生以下250円+材料費)もでき、気軽に漆の世界に触れられます。
館内に入ると、漆独特のとろりとした艶と木の香りがふわりと鼻をくすぐります。スタッフさんが丁寧に筆の運び方を教えてくれはって、初めての人でも安心して手を動かせる、そんな温かい空気が流れとるんどす。
🌱 漆を未来へつなぐNPO法人丹波漆
2012年にNPO法人化された丹波漆は、ウルシの植栽保全や後継者育成、PR事業に取り組んどります。2024年10月には「日本産漆生産・精製」の保存団体として認定されたそうで、その歩みが改めて注目されとるんどすえ。
国産漆は全国の需要のごくわずかしか占めておらず、京都府内で漆掻きを続ける職人さんは3人、全国でも60人程度と言われとります。ウルシの木は漆が採れるまでに10年ほどかかるため、木を育てることも大きな仕事どす。
春には植樹祭「うえるかむまつり」も開かれ、地元の子どもらが土に触れながら漆の木を植える姿があるそうどす。小さな手で植えた苗が、何十年か先にまた誰かの手で漆を生み出す。そんな時間の流れを思うと、しみじみしますなあ。
🎨 漆が広げる新しいかたち
近年は、漆を使ったアクセサリーや漆染めのストール、酒器など、新しい漆製品の開発も進んどります。福知山の鉄工所と組んで、鉄の鋳物に漆を焼き付けた栗箸置きが生まれるなど、異分野との掛け合わせも広がっとるそうどす。
伝統の技が、暮らしの道具として新しい形を得ていく。そんな漆器を手に取ると、職人さんの指先の記憶がじんわり伝わってくるような、不思議な温もりを感じますえ。
📍行っ得メモ
・やくの木と漆の館(京都府福知山市夜久野町平野2199)
・営業時間10:00〜17:00、休館日は毎週水曜日(祝日の場合は翌日)
・入館料は高校生以上330円、中学生以下無料、ショップは入店無料
・漆塗り体験は要予約、830円+材料費(中学生以下250円+材料費)、体験は木曜休み
・アクセスはJR山陰本線上夜久野駅から徒歩約10分、問い合わせ0773-38-9226
千年近く前から人の手で守られてきた丹波漆。その艶やかな色の奥には、幾人もの職人さんの辛抱強い仕事が重なっとるんやなあと、しみじみ思わされます。夜久野を訪ねたら、ぜひその手仕事に触れてみておくれやす。
漆塗りの盃を手にするなら、純米大吟醸YUTAKAはやっぱり冷や、または常温でいただきたいお酒どす。磨き抜かれた米の旨みと、漆特有のしっとりとした艶が重なって、口の中にすうっと広がる余韻がまるで漆器の艶のように長う続きますえ。盃の中の琥珀色が、漆の黒に映えて、見た目からも贅沢な一杯になりますなあ。
ほな、また次回のお楽しみに。
これからもどうぞよろしくお願いします。
FAQ
Q. やくの木と漆の館はどこにありますか
A. 京都府福知山市夜久野町平野2199にあり、JR山陰本線上夜久野駅から徒歩約10分どす。営業時間は10時から17時、休館日は毎週水曜日(祝日の場合は翌日)どす。入館料は高校生以上330円、中学生以下は無料どすので、気軽に寄っておくれやす。
Q. 丹波漆とはどんな漆のことどすか
A. 福知山市夜久野町を中心に作られてきた国産漆どす。奈良時代初期までさかのぼる歴史があり、明治40年刊行の『実用漆工術』では全国30産地の筆頭に挙げられたそうどす。丹波の漆掻きは京都府の無形民俗文化財にも指定されとります。
Q. 漆塗り体験はどなたでもできますか
A. 要予約で、中学生以下から大人まで参加できます。料金は830円に材料費が加わり、中学生以下は250円に材料費が加わります。初めての方でもスタッフさんが丁寧に教えてくれはるので、気軽に丹波漆の世界に触れられますえ。
Q. 漆職人は今何人いてはるんどすか
A. 京都府内で丹波漆の漆掻きを続けてはる職人さんは3人、全国でも60人程度とごくわずかどす。NPO法人丹波漆が植栽保全や後継者育成に取り組み、2024年10月には国産漆の保存団体として認定されたそうどすえ。
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